残留塩素

DPD法

湧き出る水のイメージ

水質測定でよく行われる残留塩素の測定方法にはいつくかの種類があります。 DPD法(DP-3F、DP-1Z)では、残留塩素がDPD試薬と反応すると桃色に呈色することで測定します。 この色調変化を標準比色列と肉眼での比色測定を行うか、光学的な吸光光度計で測定します。 DPD法ではアルミニウムイオンは4mg/L、銅イオンは2mg/L、鉄イオンは3mg/L、亜硝酸性窒素は1mg/Lまでは妨害を受けないとされています。 測定に使われるDPD試薬はMSDSの国連の定義上、有害危険物には該当しません。 比較的簡単で、危険も少ない測定方法でしょう。

オルトトリジン法

諸事情で行われなくなった方法ですが、残留塩素の測定方法にはオルトトリジン法(OT-1Z)というのもあります。 この測定方法では残留塩素がpH1.3以下でオルトトリジンを酸化して、黄色~黄褐色に呈色します。 この色調変化を標準比色列と肉眼での比色測定を行うか、光学的な吸光光度計で測定します。 オルトトリジンはMSDSの国連の定義上、有害危険物に該当するわけではありませんが、動物実験では発がん性があるとされています。 それもあってか、残留塩素の測定でオルトトリジン法は水道水質測定項目の検査方法から平成14年4月1日より削除されました。

電流(滴定)法

残留塩素がヨウ化カリウムと反応すると、ヨウ化カリウムは酸化してヨウ素を遊離します。 この遊離したヨウ素を還元剤で滴定します。 残留塩素が含まれた検水中に電流滴定器の電極部を浸すと、遊離したヨウ素など酸化性物質が含まれている場合には直流電流が流れます。 この検水に還元剤を入れていくと、徐々に電流値の降下が見られなくなる点が見つかります。 それがこの滴定の終点であり、この滴定に要した還元剤の量から残留塩素の濃度を計算することができます。 これが電流(滴定)法といわれる測定方法です。