電気伝導率

オームの法則

オームの法則の実験イメージ

電気関係の基本的な法則としてオームの法則が良く知られています。 電池に電球をつなぐと電球に電流が流れて電球は点灯します。 このとき電球がもつ電気抵抗(Ω=オーム)に対し、電流(A=アンペア)を流そうとする電池の端子間の電位差を電圧(V=ボルト)といいます。 電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω)という数式でこの関係を示したのがオームの法則です。 オームの法則は抵抗体が電球のような固体でも液体でも成り立ちます。 電球の代わりに2枚の金属板を水溶液に浸すことで、電球と同様に水溶液には電流が流れます。 オームの法則に基づいて、電圧が一定であれば電極間の抵抗が小さくなると流れる電流は大きくなります。 こうすることで水溶液の電導率を導き出すこともできるのです。

測定の注意点

電気伝導率は水中に含まれる陽イオンと陰イオンの合計量に関係があり、原水への下水や産業排水、海水混入の推定や、給水栓水の配水系統の違い、漏水の判定などに利用できます。 測定時の注意点としては、電気伝導率は水温1℃の上昇に比例して約2%増加することです。 水温を考慮して伝導率を補正しなければ正確な数値は出せませんので、水温に応じて上記の補正を行いましょう。 また同一水系の水ではpH5~pH9の範囲で溶解物質に近似的に比例し、電気伝導率と溶解性物質との比は1:0.5~0.8の範囲であることが多くなります。 これを覚えておけば迅速に測定できるため、他の試験に先立って実施すれば以後の試験に役立ち便利でしょう。

測定の原理

電極法では、断面積1cm²、距離1cmの相対する極板を有する一定の形状構造をもつ電極セルを検水中に浸し、極板間に一定の交流電圧をかけたときに検水の電気抵抗によって生じる電圧の変化から電気伝導率を求める方法です。 この電極法では長期間の測定において、電極の分極や汚れの付着によって測定の精度に影響がありますので、定期的な電極の洗浄や校正が必要になります。 これを無視していると正確な数値が測定できなくなってしまいますので、定期的なメンテナンスをするよう気をつけましょう。 一方で電磁濃度計検出法は電気的な検水と無接触なので、汚れや分極の影響がありません。